4月9日(土)
強い雨風に負けず、桜がほぼ咲きそろってきました。
今回の悪天候にはどうやら耐え切れそうです。
日本人は昔から、「花」と言えば桜を指すほど、桜をめでて来ました。
小倉百人一首にも、桜を詠った歌がたくさんあります。
一番有名なのは小野小町でしょうか。
花の色は 移りにけりな いたづらに
わが身世にふる ながめせしまに
桜の花のはかなさと、自分の容姿の衰えを重ねて詠んだこの歌は、二組の掛詞という技巧でも有名ですが、桜を見るときに日本人がいつも感じる一種の哀愁を読者に共有させ、見事です。
八重桜、山桜を含めて、桜を詠んだ歌は百人一首の中に六首あります。
もちろん多いほうですが、一番多く詠まれているのは「月」。
桜が春だけの風物なのに対して、月は一年中使える題材だからでしょうか。
このほかにも、風、嵐、雲、雪、霧・霜・露、紅葉などが、複数の歌の中で詠まれています。
自然に対する日本人の感性は、平安の昔から繊細で鋭かったことが良く分かりますね。
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