2011年4月21日木曜日

樋口一葉を思い出す。

4月21日(木)

今朝起きたら断水していました。
3月18日夕方、一週間ぶりに復活後、初めての断水です。
完全に不意を衝かれてしまいました。

でもそこは、あの一週間を何とか乗り切った経験がものをいって、すぐに頭の中がくるくる回転しました。(あの時と違ってお店を開けなくてはいけないから、水の調達が必要。給水車はもうないから、井戸水の出るところで水をもらってこなくては・・・)などと考えていました。
幸い程なく水が出始め、大事には至りませんでしたが、こんなことがたびたび起こったらたまりません。原因は何だったのでしょうか?


震災の前から、お洗濯にお風呂の残り湯を使っていました。
最初はポンプを買って来て使っていましたが、このポンプ、意外と寿命が短く、これでは節約になっているんだかいないんだかわかりません。
そこで、ポンプをやめて、人力で汲む事にしました。洗濯用のたらいで自分で汲むのです。だいたい、一回に洗面器三杯分をたらいに移し、それを五回洗濯機に入れると洗濯機が回りだします。
ポンプより早くいっぱいになります。

この人力ポンプをやっているとき、いつも思い出すのが樋口一葉の『大つごもり』。
奉公人お峰の水汲みは、もっとずっとつらい仕事だったのでしょうけれど、毎朝必ずこの話を思い出しながら、洗濯しているのです。


樋口一葉は、明治の女性をヒロインに多くの優れた短編を書いていますが、わずか25歳で亡くなっているとは驚きです。時間の切り取り方、ストーリー、哀しみの描写の仕方などが巧みで、私は「日本のチェーホフ」みたいと思っています。
特に好きなのが、この『大つごもり』と『十三夜』です。これらの作品についても、後日また話題にできるといいなと思っています。

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