2011年4月17日日曜日

静心なく

4月16日(土)


気温も高く、時折日も差す春らしい良い日になりました。
昨日から、風がなくても桜の花びらがはらはら散るようになり、桜の季節の過ぎ行きつつあることが感じられ、紀友則の次の一首が心に浮かんできました。


ひさかたの 光のどけき 春の日に
静心なく 花の散るらむ


桜を詠んだ歌には事欠かない日本の文化です。


もう、枝の先のほうから順に、葉が出始めました。葉の色が混じると、急激に花の色があせてくるのが判ります。

昨日までは薄紅色のじゅうたんを敷き詰めたようだった庭も、今日は少し薄茶が混じり、それが風に舞い、よじれては形を変えていきます。この季節、強風(花散らしの風)が付き物のようです。

でもこれからは、季節の花が次々と咲き続け、濃くなる緑と一緒に鮮やかさの増す季節の到来です。

1 件のコメント:

  1. 桜というと、桜貝のような、薄桃色をまず想像しますが、我が家近辺の桜には、そんな薄桃色のほかにも、純白の一重や、濃い桃色の八重桜があります。桜の種類によって、開花期が異なりますが、だいたい我が家のあたりでは、薄桃、白、濃い桃の順で次々楽しませてくれます。
    山桜は別として、桜は花が咲いた後に葉が出るものとずっと思っていました。我が家周辺の桜は例年そうでしたが、今年は少し様子が違いました。我が家近辺の白い一重の花の咲く桜は、いつもはまるで白無垢の花嫁のような満開の姿が、今年は開花前から葉が出たので、すこし緑がかり、いつ真っ白になるかしら、と心待ちにしていたのに、いつのまにか花嫁姿を見ないうちに盛りを過ぎてしまいました。

    はなのいろは うつりにけりな いたづらに
    わがみよにふる ながめせしまに

    我が家の藤の花も例年とは違う花のつけかたです。いつもは紫の花が咲き、その葉が出てから、白い藤の花が葉の間から咲き始めるのですが、今年は白の藤の葉がまだまったく出ないうちに花つぼみがたわわにつき、紫のほうは、葉が先に茂ってから、その間に花が顔を見せ始めました。
    こちらは今年、冬から春を迎えるのに、急激に初夏のように気温が上昇したせいかもしれません。
    植物にはそれぞれの花の咲く適正日照時間や気温があり、同じ植物でも、その品種によって、また色によって、開花時期が違うということに、毎年同じ植物を見ていて思います。
    生きとし生けるもの、すべてそうでしょうね。
    あらためて、子育て、教育のありかたを考えました。

    返信削除