2011年5月6日金曜日

寒い立夏となりました。

5月6日(金)

季節はどんどん進みます。
暦の上では夏になりました。
気が付けば、震災当時ダウンジャケットを着ていた私も、おとといには半袖で過ごしていました。
それだけ時間が刻まれたのです。

でも昨日の新聞には、まだ電気も水道も止まったまま生活を続けていらっしゃるご家庭の記事が載っていました。さまざまな理由で、ご自分の家から離れられない方たちもいらっしゃるのです。

不自由さの違いはあるとしても、それは私たちとて同じ事。できることなら、放射性物質の心配が全くないところで初夏を満喫したい。でも、ここに留まるしかない、行くところがないのは同じです。
不安を抱きながらも、ここで生活していくしかないのです。
だからきっと、被災者の皆さんも、運命は運命として受け止めて、その中で精一杯生きていく覚悟を決めて、新たな一歩を踏み出していらっしゃるのでしょう。

そしてそれは、平穏な時代が信じられないぐらい長く続いた(だから、それが当たり前みたいにこれからも続いていくはずとみんなが信じて疑わなかった)戦後の終わりを意味しているのではないでしょうか。

今はある意味、戦時中のよう。
いつ何時、どんなことが起こるかわからない非常時の中、毎日を精一杯生きていくしかなかった時代と同じような気がします。

日本人全体に、腹をくくること、覚悟を決めることが求められているような気がしてなりません。

1 件のコメント:

  1. 二十数年前私がはじめて有機農法のことを知ったころ、公害や農薬などで土壌、空気、水が汚染されているので、この地球に生きるのは「薄いガス室」(アウシュビッツのガス室を意識しての言葉)にいるのも同様だ、というショッキングな記事を読んだことがありました。消費者の私でも出来ることはないかと、できるかぎり日々意識してこの状況を改善すべく生活してきました。これからだってそうします。
    今回の事態はもっと私たちのむなぐらをつかんで、腹をくくることを迫りました。
    英国人にはよく、どの国のどの町に住みたいかと問われます。彼らは「海外旅行」がいとも簡単で、しかも海外に別荘を買って頻繁にでかけたり、移住したりするので、そういう会話は日常茶飯です。ですから、私はよく「日本はあんなに地震があるのに、日本人はなんで住んでるの?引っ越せばいいのに」と言われます。私も地震はともかく、活火山の麓になぜ人が住み続けるのか、正直今回までよくわかりませんでしたが、いまはわかります。英国人の質問への私の答えは「日本人だから」です。外国暮らしが長引けば長引くほど、望郷の念は強まり、自分が日本に属していることをしみじみ思います。きっといつか日本に帰ります。そして毎日を精一杯、なんとか次の世代が少しでも健やかに生きて生けるように、いっしょにやっていきます。まずは、いまいるところから。世界は結局つながっているのですから。

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