2011年3月24日木曜日

指輪物語(1)

3月24日(木)


夜になって気づいたのですが、ACが変わりましたね。
今度は飽きる前に次のを準備しておいて欲しいものです。


さてかねがね、最愛の文学作品「指輪物語」のことをいつかブログに書きたいと思っていました。
そしてふと気づいたのは、もしかして、フロドが命がけで捨てに行く「かの指輪」こそが、原発であったり、オール電化の生活であったりするのではないかという事です。

少しマニアックになってしまいますが、ロスロリアン(エルフの支配している美しい場所)で、ガラドリエル(エルフの女王)の魔法の鏡を覗いたフロドが、冥王が自分を必死に探してることを知る場面があります。自分の運命を悟ったフロドは、ガラドリエルに彼女が何を望んでいるのかを尋ねます。
ガラドリエルの答えは、"That what should be shall be."(「あるべきようにあることを。」)
この後ガラドリエルは、フロドが差し出した指輪を我が物にする誘惑に打ち勝ちます。そして、自分たちの時代が終わろうとも、新しい時代の到来に力を貸す意思をフロドに表すのです。

私の最も好きな場面のひとつです。
物語の中でも、指輪の持つ偉大な力の誘惑に勝てる者はほとんどいないのです。
どんな賢者でも(ガンダルフやガラドリエルでも)、それを遠ざけることでかろうじて誘惑に耐えているのです。本当に今の私たちの世の中にそっくりではありませんか!
便利さがどんどん生活を支配していく。一度楽することを覚えたら、もう昔には戻れない。欲望はどんどん肥大していく。そしてそこに忍び寄る黒い影、便利さの代償を私たちは思い知らされてしまいました。

物事が「あるべきようにあることを」、正面から考えるときが来たのではないでしょうか。
便利なのが、「あるべきようにあること」なのでしょうか?
楽なのが、「あるべきようにあること」なのでしょうか?
ものが溢れていて、たくさん所有できることが?
お金で買えるものがたくさんあることが?


私たちは、大切なものを失ったたくさんの人の悲しみから出発して、新しい時代を築いていかなければならないと思うのです。それには、つらく苦しい産みの苦しみが伴うと思います。なかなか物語の中の賢者には近づけませんが、みんなの少しずつの我慢、犠牲が、大きな力になっていくのは間違いないでしょう。

1 件のコメント:

  1. 海外に暮らしていると、今回の地震、津波、放射線問題など引き続く災害に、もうそれだけでSurvivor's guilt ならぬ、日本にいないことの罪悪感を覚えます。私にできることはないか・・・と思いながら日々すごしています。
    今日の便利さをもたらしたものの中で最も必要とされるのがエネルギー。電力であれ、ガソリンであれ、それを節約することは、日本に限らず世界中で最も必要なことでしょう。福島原発を見て、世界中が考え直すことになるでしょう。
    そしてあらゆる資源の節約も。
    このたびの地震以来、日常の買い物にスーパーに行って、ぎりぎり必要最低限しか買わない自分に気づきました。災害に備えて買い込むのではなく。街に出ても、ウィンドウショッピングする気にならず、たとえ気晴らしに店に入って商品を手にとって見ても、やっぱり必要ない、と元に戻す。今まで、ある上に欲しがって、用もないのに買っていたのが嘘のよう。欲望がそぎ落とされ、足るを知る。なんと自分は恵まれていることかと感謝してもし足りないほど。
    でも、購買がなければ経済は発展しません。
    TVの経済ニュースで円が今お買い得と言っているのを聞いて
    腹を立て、円より日本製品を買って!単発的義援金もさることながら、どうかこれからも日本製品を買って日本経済を応援して!と、日本のことを聞いてくれる親切な人たちに訴えています。

    「指輪物語」は読んだことがありません。みきさんのおかげで、とても興味を覚えました。是非読みます。

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